この秋、檜原村地域交流センター「森の学校」のプログラムとして開催した「里山料理教室〜檜原村の食文化を探る(全3回)」が無事終了しました。
この料理教室は、私たちNPOスタッフが地元産食材(主にNPOの斜面畑育ちの作物)と、地元の方から教えていただいた料理のレシピを準備し、あとは参加者が協力しあって調理するワークショップのようなやり方で行ないました。それぞれの日は、檜原村の食文化の特徴と言えるようなテーマを設け、調理前にプチレクチャーもしました。
9月30日に開催された第1回目のテーマは、発酵でした。味噌、醤油、酒などの原料として日本の食文化を支えている麹ですが、かつて檜原村の各家庭では自家製麦麹を作り、味噌や醤油、甘酒作りに利用していました。この日は、NPOが毎年作っている手作り味噌が仕込んでからの年月でどう変わったかを味わって頂いたり、夏のエネルギー補給に欠かせなかったという麦麹で作った甘酒の試飲をしていただいたりしました。作った料理は以下の通りです。
1 漁師の味噌汁(イノシシ肉入り) 2 季節の野菜炒め+6種の味噌 3 粟ご飯 4 麦の甘酒(デザート)
10月14日の第2回目のテーマは保存食でした。
四季の移り変わりと共に収穫できる作物が次々と変わる里山料理の一番の特徴は、手作り保存食の利用かもしれません。乾燥、塩蔵、発酵などのやり方でNPOのスタッフが作った保存食も使って料理を作りました。旬な食材と保存食を組み合わせるととても豊かな世界が広がりました。
この日作った料理は、以下の通りです。
1 切り干し大根 味噌汁 2 野菜ごった煮イノシシ肉入り 3 キャベツ香りづけーミョウガ しその実 入り 5 小さいジャガイモの味噌炒め煮 4 粟ご飯 6 黒砂糖の煎り大豆。
11月11日の第3回のテーマは、麦の食文化でした。現在ほとんど見られなくなった麦畑ですが、50年位前の檜原村では、麦作がとても盛んで、日々の食事は麦(小麦・大麦)と共にありました。
この日は、NPOの斜面畑で収穫した小麦全粒粉を使っただんご汁や天ぷらなどを作りました。檜原産の麦の香りがそれぞれの料理を引き立て、市販の小麦粉料理とは一味違ったものが作れたと思います。
この日に作った料理は以下の通りです。
1 団子汁 2 ヤマメの天ぷら 3 大豆、ごぼう、インゲンのかき揚げ 4 柿と大根のなます 5 麦ご飯 6 さつま団子
今回紹介した料理は、必ずしも伝統的な郷土料理といったものではなく、地元の方々からお聞きした家庭料理のレシピを参考にしたものです。華やかではないけれど、ヘルシーで優しい味わいの料理を作ることが出来ました。
また地元の方から譲っていただいたジビエ(イノシシ肉)や北秋川産天然ヤマメが、メニューに彩りを添えました。今後ジビエもまた里山料理の重要な食材となることでしょう。
スタッフとしても檜原村の食材のおいしさを再確認することが出来て、これからの作物栽培への意欲が出た3回の料理教室でした