さとやま学校だより04号「畑の季節がやってきた!」

 5月は畑仕事の最盛期です。私たちの農園でも、昨秋に種を播いた麦類やエンドウ豆にどんどん実がつきはじめました。3月に植えたジャガイモも一気に成長中です。
 充分に暖かくなったこの時期には、サトイモも植え付け、雑穀の種まきにも取りかかります。雑穀は、昨年、粟(アワ)と黍(キビ)の2種類を栽培してみましたが、今年はもう少し種類を増やしてみようと計画中です。
 今年は、ボランティア用の賄いをおいしくするためのパセリ、パクチなどの香草の種も蒔くことにしました。夏作物の栽培は、決して楽ではありませんが、あれこれ計画するのは楽しいものです。
 振り返ってみれば、NPO法人さとやま学校・東京の前身でもあるひのはら里山ファームが、檜原村小沢の畑を借りて栽培を始めたのは、2003年のことでした。最初に育てたのは、小麦とジャガイモ。当時は勤め人の週末農業で、都内から通っていた私たちは頻繁に畑に来ることができません。そんな私たちにとって、一度に収穫が出来、長期の保存が出来る小麦とジャガイモは、とても都合の良い作物でした。その後、同じような理由から大豆、サトイモ、雑穀なども育てるようになりました。どれも自家採取で育てることが出来、お金がかからないというメリットもありました。
 興味深いのは、それらが、江戸時代からこの地で栽培されてきた作物だったということです。素人でも安定した収量を上げ、無農薬で育てることが出来るのは、まさに、土地に合っているということなのでしょう。江戸時代の人たちのパワーの源だった作物を育てていると思うとわくわくします。
 檜原村の畑は、水はけが良く、昼夜の寒暖差が大きいことから、おいしい作物が収穫出来ると科学的にも説明できるようです。急峻な山肌にある畑は、機械化、大量生産には不向きかもしれませんが、運動不足の都会の人たちが、斜面で身体バランス感覚を鍛えたり、夏に汗をたくさん流してデトックスしたり、同時に周囲の森のフィトンチッドを浴びて健康増進したり、あるいは子どもたちが虫と遊んだりするにはぴったりの畑だというのが、私たちの実感です。
 畑を耕すことから、食べるところまで、一緒にやってみませんか? いつでもボランティア募集中です。


さとやま学校だより04号「畑の季節がやってきた!」

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