NPO法人さとやま学校・東京の活動も3年目を迎えました。これまでは農業や食文化体験の活動を中心に行って来ましたが、やればやるほど見えてくるのは、里山の深い魅力です。それをもっと多くの人たちに伝えて行くことが、これからのNPO活動の課題だと思っています。
では、私たちがNPOの活動を通して伝えたい里山の魅力とは何か? その一つは、身近な自然を活用している里山の創造的な暮らしそのものです。
今の都会の生活は、ほとんど商品を消費することで組み立てられ、お金を持っているか持っていいないかで、生活の質が決まってしまうと言っても過言ではありません。
しかし、里山の暮らしの豊かさは、人が自然と丁寧に関わることで生み出されます。熱心に世話をすれば、畑からは美味しい作物を収穫することが出来、知恵と技があれば、山から生活に必要なものを入手したり、取ってきた材料で様々なものを作ったりすることが出来ます。自然というものは、関われば関わるほど新しい発見があり、その奥深さは底なしです。
ここ5年くらい檜原村にも若い移住者が増えて来て、とてもいきいき暮らしているのは、そんな里山のクリエイティブな暮らしのあり方に引きつけられているからでしょう。
当NPOでは、「斜面畑再生プロジェクト」などを通して、伝統的な里山の暮らしを継承したり、体験したりする場を作っています。それらは、移住しないまでも、都会の暮らしの中に里山生活的な要素を組み込みたい人が、継続して参加できるような活動です。
昔ながらの里山の暮らしを知ると、現代の都会の暮らしのあり方を再考する機会にもなります。遊休斜面畑はたくさんあり、いつも一緒に作業をしてくださる方を募集中。ご興味ある方、ぜひご参加ください。
また、里山の魅力は、表面的に眺めているだけでは見過ごしてしまうことが多々あります。
例えば、今まで畑では、作物栽培ばかりに気を取られ、周辺に対する目配りがなかったのですが、最近 畑ではもっと面白いことが起こっていることに気づきました。微生物が畑を元気にしていたり、周辺に生えている野草たちが、実は食べ物としてもすごかったり、虫から作物を守ってくれたり、あるいは天然マルチとして使えたり・・。畑の自然の営みの中にもワクワクするようなストーリーがあり、それを知ると里山の環境保全をしなければという意欲も湧いてきます。
今年は、そんな里山の自然を知る試みをプログラム化し、参加者の皆さんと一緒に学ぶ場を作って行くことにしました。新年度のプログラムについては、ホームページや、当ニュースレターを通してお知らせして行く予定です。ぜひ、私たちと一緒に里山の魅力を発見してください。