里山の暮らしと知恵を次の世代へ繋げたい

 東京の奥座敷・檜原村の「藤倉(ふじくら)」という集落の一角に、時の流れが止まったように佇む小さな廃校があります。ここはかつて地域の子どもたちのために村人自身の手によって建てられ、多くの子どもたちが通い、そして卒業していった小学校でした。この古い木造校舎を拠点に、東京西部の里山生活文化の学び舎「さとやま学校・東京」はスタートしました。

檜原村の人々は、厳しい自然や風土の中での生活をとおして、里山の暮らしに必要な多くの知恵や技を生み出し、世代間に継承しつつ、長い年月をかけて美しい村の風景を紡ぎだしてきました。そしてそのあり方には、私たちがこれからの環境共生型のライフスタイルを模索する上で、参照すべき多くのすぐれた先例が示されています。ところが、近年の都市化の加速に伴い、これらの暮らしの伝統は急速に忘れ去られようとしています。

そこで、私たちは、まず「学び」をとおしてこれら檜原村に伝わる里山の知恵や技を発掘し、保存・継承していくことを目指します。また同時に、よりグローバルな視点から檜原村の生活文化を見直しつつ、村の独自性を尊重した、新しい里山の未来を創ってゆきたいと思います。このような私たちの考えに賛同していただける、できるだけ多くの皆様のご参加、ご協力をお待ちしています。

NPO法人さとやま学校・東京